住宅情報誌の編集にかかわっていますと、モニター調査やセミナーなどで、住宅購入を検討している読者に直接会う機会も多くあります。希望する住まいの条件を聞いていると、あれもこれもと要求水準が高く、確かに「そんな物件、あるかな……」と思うことがあります。「トレードオフ」といって、複数の条件を同時に満たすことのできない関係のことなのですが、価格相場がよく分かっていない、物件探し初期にありがちです。そんな場合、私であれば、条件の背景を尋ねます。どこでどんな生活がしたいのか、住まいで何を重視しているのか。それを聞くと、代替案を提示できることが多いのです。条件を広げたり、少し変えたりするだけでも、トレードオフがなくなることがあります。ですから、どんな場合でも「条件を譲るのはNO」だといっているわけではありません。売ることを優先する説得なのか、買い手の立場に立ったアドバイスなのかが問題です。納得がいくような説明があり、希望の暮らしをかなえるために有効なアドバイスなら、ぜひ耳を傾けてほしいと思っています。