数多く見ているとわかりますが、宝石の価格はデザインや大きさだけでは決まりません。その価格に対して高いのか安いのか、また正しい値であるかどうか、すぐに判断できる人は少ないでしょう。もっとも硬い物質であるダイヤモンドは、化学製品、酸、水、アルカリ、光など何物にも影響を受けない永遠の耐久性をもちます。ダイヤモンドができるには、約十億年という年月がかかります。当然産出量も少なく、その中でも宝石用として通用するのはわずか20%。残りは工業用として使用されます。このように宝石用ダイヤはわずかですから、できるだけ質の良いものを購入したいもの。ダイヤモンドには、品質基準を決める四つのCがあります。重さ(CARAT・カラット、透明度(CLARITY・クラリティ)、色(COLOR・カラー)、カット(CUT)。この4C(フォーシー)の組み合わせ方がダイヤモンドの価値を決定づける大切な要素となります。等級の方法は鑑定方式によって異なりますが、本書では一般的なG・I・A(アメリカ宝石学会)方式を紹介します。重さ(CARAT・カラット)宝石の重さをあらわす単位。1カラット=0.2グラムが基準。4tトラック一台分の岩石中に含まれるダイヤモンドはたったの0.2グラム(=1カラット)ですからダイヤモンドが高価なのもうなずけます。ダイヤモンドの価格はカラット数に比例して高くなるのではありません。ダイヤモンドは大きいほど希少価値を増すので二カラットは1カラットの倍の値段ではなくもっとずっと高価になります。体や自然界のものを基準に長さや重さを計っていた時代、はかりの重りとして「カロブ(いなご豆)」という木の種が利用されていました。この豆はたいへん粒がそろっており二個一個の重さがほぼ同じ)、一粒が約0.2グラムであったことから、宝石の重さをあらわす単位のカラットの語源となりました。