自動車の発達史を世界の地域別にみると、まずヨーロッパでは貴族用の大型豪華車と庶民用の小型サイクルカーが目立ち、理屈が好きで合理的な国民性は、走行フィーリングに優れた辛口の自動車を創り出した。アメリカでは国土が広いためか、長距離ツーリング用の大型車が普及し、物資にもめぐまれ大馬力エンジンで乗心地第一の甘口フィーリングのアメリカ車の風格が早くから定着している。この点わが国では、はじめは経済水準が低かったせいか自動車はステイタス・シンボルでありハイヤーやタクシーが多く、やがて経済レベルが向上するや手狭なウサギ小屋を補う移動する部屋として大衆車が普及し、今日にいたった。
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このため日本車は、アメリカ車的外観にヨーロッパ車の走行フィーリングという甘辛混在のブレンド商品となっている。そして輸出が内需を上回る一九七五年ごろからは、持ち前の勤勉と器用さでそれぞれの輸出先のユーザーが好む味付けに合わせ、アメリカ向けには甘口、ヨーロッパ向きには辛口に仕上げ、ついに一九八〇年には世界一の生産および輸出台数を生み出すまでに成長している。