紅葉が始まるのは、だいたい十月下旬から。温暖なところでは十一月下旬から十二月初旬に入るところもあります。紅葉狩りは、「狩り」とはいっても色づいた落ち葉を拾いに行くわけではなく、山野を訪ねて紅葉した木々を観賞し、秋の自然の景色を楽しむことをいいます。現在も秋の行楽のひとつになっていますが、日本人が紅葉を楽しんできた歴史は古く、奈良時代や平安時代には、赤や黄に彩られた山々の景色を眺めながら、宴を催したり、歌を詠んだりするのが貴族の習わしでした。平安時代にはとくにさかんだったようで、当時編まれた『古今和歌集』の秋下の巻には、平安京周辺の紅葉を詠んだ歌がたくさん見られます。平安京のあった京都にいまでも美しく紅葉する落葉樹が多いのは、そのころからの伝統なのです。当時は、互いに拾ってきた紅葉の美しさを競う「紅葉合わせ」という遊びをしたり、「紅葉のころも」などという風雅な表現で歌を詠んでは晩秋を楽しんでいました。紅葉狩りは、冬を迎える前の最後の大きな娯楽でもあったようです。
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